瞳孔計測データを、価値ある洞察へ
高精度な瞳孔計測データも、それを正しく解析し、意味のある情報に変換できなければ価値を発揮できません。KIKURAでは、長年培ってきた瞳孔解析の知見と独自のアルゴリズムに基づき、お客様の目的達成を支援する解析システムを提供しています。
本ページでは、主に「情感解析システム」と「自律神経状態判定解析システム」の2つのシステムについてご紹介します。

情感解析システム
概要
人の感情や関心の度合いを、客観的なデータに基づいて深く理解するための解析システムです。主に瞳孔反応(大きさ、動き)を詳細に分析し、「注目度」や「関心度」といった独自の指標を算出します。将来的には、市販の表情解析プログラム等と連携し、瞳孔反応による注目度と表情から読み取れる感情度合いを組み合わせた、より多角的な情感分析を目指しています(関連特許取得済)。
システムの特長と技術
- 個別基準データの活用による高精度解析: 計測前に、基準となるコンテンツ(段階的に明るさが変化する画面、約48秒)をリラックスした状態で見ていただきます。これにより、個人の「明るさに対する基本的な瞳孔反応パターン」を把握。実際の計測データと比較することで、環境光等の影響を排した、より純粋な情感反応を評価できます。
- 高度な補正アルゴリズム搭載: 瞳孔は非常に繊細です。視線位置とそのエリアの輝度、急激な明るさの変化、個人の明暗順応レベルの違いなど、解析精度に影響を与える様々な要因を検出し、自動的に補正する高度なプログラムを搭載しています。
- 多様な計測環境に対応: 研究室での利用に適したデスク設置型や覗き込み型、フィールド調査にも対応できる移動型(ウェアラブル)、さらにはVR環境での計測が可能な装着型VR測定機など、様々なタイプの瞳孔計測機器(アイトラッカー)に対応可能です。お客様の計測環境や目的に合わせてシステムをカスタマイズ提供します。
- 柔軟な提供形態: 現在は個別研究用途向けのスタンドアローン型(PCインストール型)が主ですが、近い将来、より利便性の高いクラウドタイプの解析システムも提供開始予定です。
対応ハードウェア例
以下の視線瞳孔計測機器(アイトラッカー)に対応しています。(これら以外の機器についてもご相談ください)
- ナックイメージテクノロジー社製
- KIKU-NAC (https://www.eyemark.jp/product/kiku-nac/)
- EMR-10 (https://www.eyemark.jp/product/emr_10/)
- EMR ACTUS (https://www.eyemark.jp/product/emr_actus/)
- PICO社製 VRヘッドセット
- PICO 4 Enterprise (https://www.picoxr.com/jp/products/pico4e)
- Tobii社製
- Tobii Pro Glasses 2 (他機種は応相談)


情感解析ソリューションの活用事例はこちら

自律神経状態判定解析システム
概要
瞳孔の動きは、心身のバランスを司る自律神経(交感神経・副交感神経)の状態を敏感に反映します。本システムは、KIKURA独自の刺激呈示と瞳孔反応解析アルゴリズム(ANS Analyzer)により、現在の自律神経の状態を客観的に評価・判定します。
なぜ自律神経の状態把握が重要か
自律神経のバランスは、測定する時間帯、曜日、季節、さらには温度・湿度・気圧といった外部環境、そしてその時のストレスレベルや睡眠状態など、多くの要因によって常に変動しています。 そして、このバランスが普段より乱れると、集中力、判断力、記憶力、さらには免疫力などの低下につながることが知られています。これは、人間が環境に適応し生きていく上で現れる自然な反応(人が人である故の証)ですが、この状態を客観的に把握することは、日々の暮らしや仕事における様々なリスク管理やパフォーマンス向上において非常に重要となります。
技術と開発状況
- 第一段階プログラム(学会発表済み): 基本プログラムは、日本自律神経学会で発表し、論文発表(2025年3月)に至った研究過程で構築されました。これは、明るい画面と暗い画面を交互に一定時間見ていただき、その際の瞳孔反応(対光反射や瞳孔径のゆらぎ)のパターンを解析。自律神経が安定している状態と乱れている状態の動きの違いを分析するものです。
- 継続的な精度向上と次世代研究: 現在、この基本プログラムにおける判定閾値(しきいち:正常と異常を分ける基準値)の精度をさらに高めるための実験や、より多様な側面から自律神経機能を評価できる次世代解析プログラムの実証研究を進めています。
- 提供レベル: 現在は主にヘルスケア分野(労働安全、ストレスチェックなど)での活用を想定したシステムとして提供しています。医療診断用途向けのシステムについては、別途研究・開発を計画中です。さらに、運転時の体調管理の特許を出願準備中です。
将来展望:閉眼時の瞳孔計測技術
さらに将来的な取り組みとして、**閉眼時(目を閉じている状態)**でも瞳孔計測が可能な独自デバイスの開発を計画しています(特許取得済)。これにより、安静時やまどろんでいる時、さらには睡眠中の眼球運動(レム睡眠・ノンレム睡眠)と瞳孔の動きの関係など、これまで正確な計測が困難だった領域での自律神経活動の解明が進むと期待されます。医療分野をはじめ、様々な研究領域への貢献を目指します。
対応ハードウェア例
以下の瞳孔計測機器に対応しています。(これら以外の機器についてもご相談ください)
- ナックイメージテクノロジー社製
- KIKU-NAC (https://www.eyemark.jp/product/kiku-nac/)
- PICO社製 VRヘッドセット
- PICO 4 Enterprise (https://www.picoxr.com/jp/products/pico4e)
システム導入・カスタマイズについて
お客様の研究内容や導入目的に合わせ、最適なシステム構成やカスタマイズをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。