自律神経ソリューションとは?
ストレス社会と呼ばれる現代、心身の健康維持には自律神経のバランスが極めて重要です。自律神経の乱れは、集中力や判断力の低下、様々な身体の不調、さらには重大な事故や疾患に繋がる可能性も指摘されています。
KIKURAの自律神経ソリューションは、医療機器にも用いられる高精度な瞳孔計測技術を応用し、瞳孔の自然な動きから交感神経と副交感神経の活動バランスを、身体に負担なく(非侵襲)、短時間で客観的に評価するシステムです。
まるで体温や血圧を測るように、ご自身の、あるいは従業員や患者様の「今の心身の状態」を「見える化」し、健康管理、労働安全、医療診断の補助など、様々な目的でご活用いただけます。

技術の特長と信頼性:ANS Analyzer
当社の自律神経解析技術「ANS Analyzer」は、以下の特長により、信頼性の高い評価を実現します。
- 高精度な瞳孔計測: 医療分野でも使用されるKIKU-NAC等の高分解能計測器により、自律神経の状態を反映する瞳孔の微細な動き(瞳孔径、対光反射、瞳孔動揺など)を正確に捉えます。
- 科学的根拠に基づくアルゴリズム: 私たちの解析アルゴリズムは、長年の研究と検証に基づいています。その有効性は、日本自律神経学会にて発表され、学会誌にも論文として掲載されています(日本自律神経学会誌 62巻1号, 2025年3月)。
- 迅速かつ簡便な評価: 計測後、複雑な操作は不要で、 ANS Analyzerが瞬時に自律神経バランスを解析し、分かりやすく表示します。

活用シーン:ヘルスケア分野 ~健やかな毎日と安全な社会のために~
1. 労働安全衛生 ~「働く人」の安全と健康を守る~
- 対象分野: 運輸(トラック、バス、タクシー、航空、船舶)、建設、製造、インフラ保守、警備など、ヒューマンエラーが重大事故に繋がりかねないあらゆる業種
- 課題: 疲労、睡眠不足、ストレスによる集中力・判断力・記憶力の低下、それに伴う事故リスクの増大。
- 提供価値:
- 事故の未然防止: 始業前や作業中の自律神経チェックにより、リスクの高い状態(過緊張、過疲労、強い眠気など)を客観的に検知します。
- 的確な安全管理: データに基づき、休憩の指示、作業内容の変更、配置転換、安全指導などを実施できます。
- 回復・改善のサポート: 休憩や仮眠、リラクゼーションなどの効果を測定し、より効果的な疲労回復策の導入を支援します。
- 従業員の意識向上: 自身の状態を客観的に知ることで、セルフケア意識が高まり、自律的な安全行動に繋がります。

2. 未病対策・健康経営 ~病気になる前の「気づき」と「対策」を~
- 対象: 企業の従業員(健康経営)、学校の児童・生徒、公務員、医療・介護従事者、地域住民の健康増進など
- 課題: ストレスによる心身の不調、メンタルヘルス問題の増加、生活習慣病のリスク。
- 提供価値:
- 日常的なストレスチェック: 定期的な自律神経チェックにより、ストレスレベルや心身の疲労度を客観的に把握します。
- 早期の不調サイン検知: 自律神経の乱れは「万病の元」。体調不良が現れる前の「未病」の段階で、変化の兆しを捉えることができます。
- 健康意識の向上と行動変容: 自律神経の状態を日常的に測定・記録することで、健康への関心を高め、生活習慣改善を促します。
- 組織的な健康管理: 従業員や生徒のコンディションを把握し、適切なサポートや職場環境の改善に繋げ、健康経営やウェルビーイング向上に貢献します。

3. 研究開発 ~より信頼性の高い研究データを~
- 対象: 心理学、生理学、人間工学、スポーツ科学、マーケティングリサーチなどの研究機関
- 課題: 実験参加者(被験者)の心身状態が、測定データや実験結果に影響を与える可能性。
- 提供価値:
- 実験前・中・後に被験者の自律神経状態をモニタリングし、その時点での生理的・心理的状態を客観的に把握できます。
- 実験環境や課せられたタスクが被験者に与えるストレス負荷などを定量的に評価できます。
- 被験者の状態を考慮したデータ解析を行うことで、研究結果の信頼性を高めることに貢献します。

活用シーン:医療分野 ~客観的な評価で、より質の高い医療へ~
1. 診療支援 ~医師の診断・治療をサポート~
- 対象診療科: 心療内科、精神科、脳神経内科、ペインクリニック、緩和ケア、リハビリテーション科など
- 課題: 患者様の訴えだけでは判断が難しい、ストレス関連疾患、精神疾患、慢性疼痛などにおける病態評価。治療効果の客観的判定。
- 提供価値:
- 患者様の自律神経バランスを数値データとして客観的に評価し、医師の診断や治療方針の決定を補助します。
- 薬物療法や精神療法、リハビリテーションなどの治療効果を定量的にモニタリングし、治療計画の最適化に役立てます。
- 患者様自身が自分の状態を客観的に理解することで、治療へのモチベーション向上にも繋がります。
2. 特定疾患への応用 ~新たな検査・研究ツールとして~
- パーキンソン病、認知症、起立性調節障害、線維筋痛症など、自律神経機能との関連が深い疾患の研究や、診断・重症度評価の補助的検査としての応用が期待されます。
※特別枠で医療用研究を開始予定
3. 新しいバイタルサインへ ~病院・クリニックでの日常測定を目指して~
/体温、血圧、脈拍、血中酸素飽和度(SpO2)は、患者様の状態を知る上で不可欠なバイタルサインです。私たちは、これらに加えて「自律神経バランス」を第5のバイタルサインとして、病院やクリニックで日常的に測定される未来を目指しています。
自律神経は、時間帯、曜日、季節、天候、心理状態などによって常に変動しています。その時々の状態を正確に把握することは、より個別化された、質の高い医療を提供するために不可欠だと考えます。
自律神経から、より良い社会へ
私たちは、万国共通である自律神経の状態を誰もが手軽に、そして正確に把握できる技術を通じて、個人の健康寿命延伸、ストレス関連疾患の予防、労働災害の防止、さらには自殺や犯罪の減少にも貢献できると信じています。